フィリピン在住日本人から見て気になった東南アジアのニュースをピックアップ!
セブパシフィック航空は、タイガーエア・フィリピンの全株式と、タイガーエアホールディングスの株式の40%を取得する株式売買契約を締結したと発表した。
3月中旬からは、セブパシフィック航空のホームページでタイガーエア・フィリピンの便を予約することができるようになる予定。
シンガポールとフィリピン各地を結ぶ路線でコードシェアや、両航空会社での接続、両社ホームページで相互に航空券の販売などを実施する見込み。
元の記事を読む→ 【2014年02月12日:Traicy】
「タイガーエアホールディングスの株式の40%を取得」って、マジで!?
タイガーエアホールディングスというのはタイガーエアやタイガーエア・フィリピンなどの運行会社をまとめる統括会社というか親会社みたいなものです。セブパシフィック航空がタイガーエアと提携してタイガーフィリピンを子会社化するというのは1ヶ月ほど前に発表がありました。
しかしホールディングスの株式を取得、それも40%って、スーパーガッチリ提携するってことじゃないですか。下手したらセブパシとタイガーが合併って話になるかもしれません。そうなるとエアアジアに対するかなり大きな対抗勢力となります。
本当にそんなことってあるのかな?と思ってセブパシのホームページのプレスリリースを見てみました。(これ→Cebu Pacific signs share purchase agreement with Tiger Group) そしたらマジでした。
「Cebu Pacific Air announced that it has signed the share purchase agreement to acquire 100% of Tigerair Philippines, including the 40% stake of Tiger Airways Holdings Limited.」
どっひゃ~!こらスゴイことになるぞ。
何がスゴイかといいますと、セブパシとタイガー、補完し合う関係にあるんです。下の地図をご覧ください。
こちらはセブパシフィック航空の国際線の路線図です。日本、韓国や北京、上海など北東アジアに路線を持っている点に注目してください。
そしてこちらはタイガーエア。北東アジアには路線がありません。その代わり、セブパシが就航していないオーストラリアやミャンマー、バングラ、インドに路線を持っているのです。
特に注目はインドです。インドは規制や認可が厳しくて外国企業がなかなか参入しにくい市場です。実はアジアのナンバーワンLCCであるエアアジアがインド市場に参入できなくて困っているところです。セブパシとタイガーとの提携が合併まで進めば、セブパシはタイガーを利用してインド路線にエアアジアより早く進出することができます。
また両社が組むと、東は日本や韓国、西はインド、南はオーストラリアという、東、東南、南アジア、オセアニアをカバーする巨大ネットワークを持つLCCが誕生することになります。
両社ともエアバスA320など中型機メインの航空会社ですので、日本からインドへ直行なんてのは無理でしょうが、例えばマニラやシンガポールをハブにすれば、日本から両社を使ってシンガポールに飛び、そこで乗り換えてインドへ行くとか。そんなことが可能になっちゃいます。
タイガーはオーストラリアで国内線を運航するタイガーエア・オーストラリアをグループ企業として持っていますので、日本からシンガポール経由でオーストラリアに入り、さらに国内線に乗り換えてオーストラリア各地へなんてこともできるようになるでしょう。
もちろん、JALANAみたいなレガシーキャリアを使えば日本からインドへ直行便で行けますけどね。でも、ちょっとでも節約したいというLCC利用客にとっては、日本からマニラやシンガポール経由で東南アジアやインド、オーストラリアに安く行けるようになるってのはかなり嬉しいニュースではないでしょうか。
まだタイガーの40%の株を取得すると決まっただけではありますが、僕としては両社の一体化が進むことをかなり強く期待します。